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面接交渉は子どもの権利 【2008年9月号】

                                                   弁護士  杉  浦  宇  子
 
 離婚に伴って浮上してくる子どもに関する問題の中で、「面接交渉」は、もっとも解決の難しい問題ではないかと思います。当事者が面接交渉の実施に関して概ね共通の理解をもって協議できる場合は、難なく面接交渉の取り決めができることもあります。しかし、離婚問題で争う(元)夫婦がこの問題だけ協力し合うというのは、実際にはかなり困難なことが多いようです。

 一般的に、裁判所では、面接交渉が認められるか否かを、「子どもの福祉に合致するか否か」という視点で判断します。面接交渉は、子どもの利益のためのものだからです。たとえ、親が別居したり離婚したりしても、両方の親と必要なときに交流をもつ機会を十分に確保することが、子どもの健全な成長にとって必要なのです。

 子どもがまだ小さいときには、両親が協議して面接交渉のルールを決める必要がありますが、両親の感情的対立が大きい場合は、協議では面接交渉のルールが決められないこともまれではありません。 当事者だけでは面接交渉のルールが決まらないときは、家庭裁判所の調停を利用するのが問題解決に向けての方策になるでしょう。家庭裁判所には、調査官(心理学等の知識を有する専門職員)がいて、当事者に面接したり、家庭裁判所内で試験的に面接交渉を実施したり等の調査をして、面接交渉の実施に関する助言をくれます。また、面接交渉に際しての注意点の説明を受けたり、面接交渉に関するDVDを見たりすることで、当事者は面接交渉について具体的なイメージを持つことができ、少しずつ不安を取り除いて面接交渉の実施に前向きになることができるようになるでしょう。また、弁護士を代理人として、法的アドバイスを得ながら手続に臨むと更に安心感が増し、自分自身で決断する手助けとなると思います。

 子どもにとって、長く別居親と会えないことも辛いでしょうし、いざ実施されても、両親が険悪な雰囲気の中面接交渉をしても、両親の感情に振り回されて辛いものです。両親の離婚は、子どもにとって大変に悲しいことですが、せめて両方の親との交流の機会を確保し、その交流が両親双方の協力のもと平穏に実施されたとしたら、子どもにとって大きな安心となるのではないのでしょうか。

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