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特別受益、寄与分について【2013年7月号】



                                            弁護士  今  井  千  尋


 遺産分割のご相談(遺言書がなく、相続人間で争いがあるケース)をお受けしていると、「自分の法定相続分は理解している。ただ、他の相続人(例えば兄)は被相続人(例えば父)の生前に父からお金をもらっていた。」、あるいは、「自分は父の世話をしていたが兄は全くしなかった。」といった事情を話され、これらの点は遺産分割において考慮されないのかとのご質問を受けることがあります。

 民法はこれらの場合に関連する制度として、特別受益及び寄与分という制度を設けています。そこで、今回はこの両制度の概略についてご説明いたします。

1 特別受益(民法903条)

 相続人の中に、被相続人から、①遺贈を受けた者、②婚姻又は養子縁組のために贈与を受けた者、③生計の資本として贈与を受けた者、があるとき、その者が受けた贈与の価額と被相続人の財産を加えたものを相続財産とみなし(相続財産の総額が増える)、法定相続分から贈与の価額を引いた残額をその者の相続分とする制度です。

 ポイントは「生計の資本としての贈与」といえるかという点で、小遣いや通常の扶養程度では「生計の資本としての贈与」とは評価されず、ある程度のまとまった支出をいうものとされています。また、相続人の一人を受取人と指定した生命保険の保険金は、受取人の固有財産とされており、原則として特別受益にはあたらないとされています。

2 寄与分(民法904条の2)

 相続人の中に、①被相続人の事業に関する労務の提供、②財産上の給付、③被相続人の療養看護、④その他の方法、により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるとき、被相続人の財産からその者の寄与分を引いたものを相続財産とみなし(相続財産の総額が減る)、法定相続分に寄与分を加えた額をその者の相続分とする制度です。

 ポイントは、①当該相続人の行為によって被相続人の財産が維持された又は増加したこと、②当該相続人の行為が「特別の寄与」であること、です。

 したがって、①被相続人とともに自営業に従事していたとしても、相応の給与や報酬を得ていた場合は原則として寄与分は認められませんし、②通常親族が行う程度の行為では寄与分は認められません。この②の点については、相対的な判断ではありませんので、例えば、「他の相続人より世話をしていた。」という主張だけでは足りないとされています。

 意外と寄与分が認められる範囲が狭いなという感想をお持ちになられる方が多いのではないでしょうか。

3 遺言書作成の有用性

 相続人間に争いのある遺産分割事件では、特別受益や寄与分を巡って多数の主張が出され、最終解決までに長期間を要するケースが多く見られます。また、相続人が特別受益や寄与分に関する主張を行っても、上記の要件を満たしていなかったり、証拠がないなどの理由で主張が認められないこともまれではありません。

 もちろん、代理人としては、遺言書がないことを前提に、依頼者の思いを最大限実現すべく主張・立証に努力しますが、本音では「被相続人が遺言書を書いてさえくれていたらこんな事態にはならなかったのに。」と思うこともしばしばです。

 特別受益や寄与分の制度では捉えきれない関係者間の事情も、遺言の内容に反映させることは可能です。

 特に法定相続人が複数おられる方には、後の紛争防止のために遺言書を作成することをお勧めいたします。

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