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有期労働契約の3つのルール(労働契約法の改正)【2013年8月号】



                                           弁護士  安  田       剛


1.はじめに

 「労働契約法の一部を改正する法律」が成立し、有期労働契約について次の3つのルールが定められました。
 (改正法の3つのルール)
 ①5年超の有期労働者の無期契約への転換
 ②雇止め法理の法定化
 ③有期労働者と無期労働者の不合理な差別の禁止


2.改正の背景

契約社員やパートタイマー、アルバイト等を始めとして、契約期間に定めのある労働契約を「有期労働契約」と言います。正社員が期間の定めのない「無期労働契約」に対し、不安定な雇用形態です。

厚生労働省によれば、有期労働契約で働く人は全国で約1200万人と推計されています。リーマンショック等を契機に雇止めが頻発し、契約更新されなかった有期労働者の保護が主張され、今回の改正に至りました。

3.改正法の3つのルール

①5年超の有期労働者は無期契約への転換

同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合には、労働者の申込みにより無期労働契約に転換できます。

つまり、同じ職場で5年を超えて働く契約社員やパート従業員、アルバイト従業員は、会社に申し出れば正社員と同じように期間の定めのない無期労働契約に切り替えることができるというものです。

しかし、逆に使用者の立場から考えれば、会社が有期労働者を雇用するのは、仕事の繁閑に合わせて労働力の調整が可能な面を考えており、今回の改正法のような無期契約への転換を避けるため、5年に達するまでに契約を終了させる(更新しない)ケースも増えそうです。

なお、同一の労働者について、最初の労働契約とその次の労働契約との間に6か月以上の空白期間がある場合には、無期契約に転換できる5年の期間はいったんリセットされ、契約期間は通算されません。この空白期間を「クーリング」と呼びます。このような空白期間(クーリング)をおくことにより、無期契約への転換を避けることができます。

②雇止め法理の法定化

有期労働契約は、使用者が更新を拒否すれば期間満了により終了します。これを「雇止め」と言います。契約法の原則では、本来雇止めは自由ですが、最高裁判例により一定の場合には無効とされており、この最高裁判例は既に確立されたものとなっています。

今回の改正では、確立した最高裁判例の雇止め法理をそのままの形で労働契約法に条文化されました。

③有期労働者と無期労働者の不合理な差別の禁止

有期労働者と無期労働者の間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件に相違を設けることが禁止されます。

賃金や労働時間等の狭義の労働条件だけでなく、災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など一切の労働条件が含まれるものとされています。ただ、有期労働者の労働条件を全て無期労働者と同じにすることが求められているわけではなく、業務内容や責任の程度などによって個別に判断するものとされています。

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