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食品偽装に関する法律問題【2014年1月号】


弁護士  亀   村   恭   平

1 はじめに

 昨年、食品の偽装に関するニュースが相次ぎました。そこで、今回は食品偽装に関する法律問題をご紹介します。


2 具体的な事例

 食品偽装に関する具体的な事例をすべて挙げるのは紙幅の都合上不可能ですが、たとえば、エビについてはバナメイエビを芝エビと表示した例や、ブラックタイガーを車エビと表示した例が問題となりました。


 また、牛肉については、脂肪を注入した加工肉でありながら、ステーキと表示した例が問題となりました。


 これらは一部の悪質な業者のみが行っていたものではなく、複数のホテルや百貨店などでも問題が発覚しています。


3 法律上の問題点

 食品偽装に関しよく出てくる法律として、景品表示法があります。

 これは、「
商品の品質その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示で、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」(優良表示)を禁止するものです。

 上記の例でいえば、実際のものが「バナメイエビ」や「加工肉」であり、著しく優良であると示す表示が「芝エビ」や「ステーキ」ということになります。


 違反行為があった場合、行為の差し止めや再発防止のために必要な命令がなされることがあり、命令に違反した場合、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑罰が定められています。なお、食品偽装の多発を受けて、景表法については、罰則強化や課徴金制度の導入を含む改正も検討されています。


 そのほか、食品の表示に関連する法律を挙げると、食品衛生法、JAS法、不正競争防止法などがありますし、偽装の内容によっては刑法上の詐欺罪に該当する可能性もあります。


 このように、食品偽装に関連する法律は多岐にわたりますので、実際に表示の適否を判断するには十分な検討が必要となります。

4 おわりに

 食品偽装が発覚した場合、「認識が甘かった」、「業界の慣行に従った」ということでは許されず、行政による指導を受けたり、悪質なケースでは刑事事件に発展することもあります。最近の事例ですと、米の産地を偽装した会社が、農水省からJAS法に基づく改善指示、勧告を受けただけでなく、その後刑事告発を受け、最終的には清算手続に入ったとの報道がありました。


 食品偽装を故意に行うことは問題外ですが、過失による食品偽装を防ぐポイントは、問題がないかと気付く力、すなわち「勘」ということになります。


 上記のエビのケースでも、実際に使っているものと表示が異なるのは明らかですから、問題となる可能性に気付くことができれば、「芝エビ」や「車エビ」といった表示をすることは避けられたと思われます。


 食品偽装に限らず、日常から勘を養っておくことが問題発生を防ぐことにつながります(たとえば、社内での研修も、類似のケースを知ることで勘を養う一つの手法です)ので、この点は意識していただければと思います。

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