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損害賠償額の予定 【2017年1月号】

                                          弁護士  今  井  千  尋

 普段、契約書のチェックをしていると、契約当事者双方の義務(債務)は詳細に規定されているのに対し、当該債務が履行されなかった場合の損害賠償がどうなるのかについては曖昧なままとなっている契約書が散見されます。そこで、今回は、債務不履行が発生した場合に有用な、「損害賠償額の予定」について述べたいと思います。

1 「損害賠償額の予定」とは

 「甲が債務を履行しなかった場合、甲は乙に対し、乙の被った損害を賠償しなければならない。」という契約条項を見ることがあります。このような条項は、一般的には望ましいとは言えないでしょう。なぜなら、乙が甲に対し損害賠償を請求するためには、乙自身において、「損害が発生したこと」及び「損害の額」を立証しなければなりませんし、甲から見ても、債務不履行時にいくら支払わなければならないかが事前に予測できないからです。  

 そこで、契約当事者間において、債務不履行が発生した場合の損害賠償額を予め定めることが行われます。これを「損害賠償額の予定」といいます(民法420条1項)。これを行うことにより、上記の例で言うと、甲は「損害が発生したこと」及び「損害の額」をいちいち立証する必要がなくなります(この立証は多大な労力を要することが多いです。)し、乙は予定した額以上の損害賠償をする必要がなくなります。契約の類型によっては損害賠償額を予め定めることが困難な場合もありますが、そのような場合でなければ、是非契約書に盛り込んでいただきたい条項です。

2 「違約金」との違い  

 では、「甲が債務を履行しなかった場合、甲は乙に対し、違約金として●●円を支払わなければならない。」との契約条項はどうでしょうか。  

 民法420条3項によれば、違約金は賠償額の予定と推定されるため、上記条項は「損害賠償額の予定」を定めたものと解釈されます。ただし、疑義を残さないため、「違約金」の部分は「損害賠償」としておいた方が望ましいです。  

 なお、損害賠償とは別に違約金を支払う場合は、上記推定規定が適用されないよう、その旨を明確に規定した文言を盛り込む必要があります。

3 留意点   

 「損害賠償額の予定」がなされた場合、債務不履行があれば当該約定どおりの効果が発生するのが原則ですが、一定の限界があります。  

 例えば、10万円の物の売買契約において債務不履行があった場合に1000万円支払うとの損害賠償額の予定をしても、当該約定は公序良俗に反し無効となる可能性が高いでしょう(民法90条)。また、消費者と事業者との間で締結された契約が解除された場合については、事業者に生ずる平均的な損害の額を超える損害賠償額の予定は、当該超える部分が無効とされます(消費者契約法9条1号)。学納金の不返還特約の有効性がよく争われていますので、ご存知の方もおられると思います。  

 このように、「損害賠償額の予定」の効果を制限する法令は特定商取引法など他にも存在しますので注意が必要です。

4 まとめ  

 契約書を作成する際には、他の法令により無効とされないよう注意しながら「損害賠償額の予定」を盛り込んでいくことが必要です。判断に迷ったら、お気軽にご相談いただければと存じます。





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